第38章 #38 伝えたかった事
「あ……う……うぁあぁぁぁぁん!!!リヴァイ!!」
ボロボロ泣き出し、右腕を伸ばすとリヴァイはリリアをギュッと抱きしめた。
「勝手にどっか行きやがって、心配しただろうが!!」
「ごめ……ごめんなさい…ごめんなさい…ごめんなさい…!!うわぁあぁあぁん!!」
(こいつ…声が……)
リヴァイはリリアの背中をポンポンと叩くと着ていた上着をリリアに着せ抱き上げた。
とにかくここから離れなければ、いつ建物が倒壊するか分からない。
しかも今しがた自分が木材を蹴り飛ばしてしまった。
リヴァイは建物から離れると一旦リリアを降ろし、背中に担ぎ直した。
とにかくリリアを休ませたいが時間的に病院までは戻れない。
「早く戻らねぇとハンジが何するか分からねぇな」
辺りを見渡し駐屯兵を探す。心配をして待っているハンジにどうにか知らせを入れなければ。
ちょうど見回り中の駐屯兵を見つけ、リヴァイは声を掛けた。
「すまねぇ」
「わっ?!リヴァイ兵長?!」
「至急調査兵団団長に伝令を頼みてぇ」
「は、はい!」
「リリア兵士長を無事保護した。体調を考慮して明日戻る、と」
分かりました、と敬礼をし駐屯兵は走ってその場を去った。
これでひとまずハンジは大丈夫だろう。
リヴァイは近くにあった宿屋へと入った。