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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第37章 #37 夢の終わり



病室に戻ったリヴァイはリリアが部屋にいない事に気付き動揺した。
自分がいない間にまた命を絶とうとするような行動を取ったのではないかと。
慌てて窓の外を見るがここは一階、飛び降りて死ぬ高さではない、見渡しても刃物などがある訳ではない、布団も乱れておらずただ単に不在なだけな雰囲気だ。


「は?どこ行きやがった?あの薄らヒゲ…先に様子を見に行くと言った筈じゃ…」
「戻ったかリヴァイ」

その声に振り返るとナイルがリリアを抱きかかえ戻ってきていた。
安堵しリヴァイの肩の力が抜ける。

「どこ行ってやがった」
「少し散歩にな。ほらリリアちゃん、着いたよ」

しかしリリアはナイルの首に手を回したまま離れようとしない。
それを見たリヴァイが眉をひそめる。

「リリアちゃん?苦しいよ」
「うっうぅぅ!」
「また来るから、な?」

するとリヴァイが無理矢理リリアをナイルから引き離した。
その表情は若干イライラしている様に見える。

「離れろって。ナイルに迷惑かけんじゃねぇ」
「別に迷惑なんて思ってないよ……それじゃあリリアちゃん、またな!リヴァイ、あとは頼んだぞ」

チッと舌打ちを返されナイルは苦笑いをした。

二人だけになった病室は沈黙した。
リリアはリヴァイの顔を見ようとせず、そのままベッドに俯いて腰掛けたままだ。

「あのなぁ、妻子持ちの奴にベタベタくっつくのやめろ」
「………」
「………はぁ……俺には求めても来ねぇクセに…」

自分にはまったく甘えてこないリリアにリヴァイは若干嫉妬していた。
リリアは棚の上に置いていた紙とペンを持つと文字を書き、それをリヴァイに渡した。

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