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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第36章 #36 生きろ!



「お兄ちゃん遅いね」
「そうだな……ったく、どこまで買いに行ったんだ?」

それはリリアの小さい頃の記憶。
買い物に行くからとリリアをナイルに任せたまま、なかなか戻ってこないエルヴィン。
リリアを抱っこして宥めているナイルだが、リリアは今にも泣き出しそうな表情をしている。


「お兄ちゃん……うっう……」
「リリアちゃん!だ、大丈夫だよ!もう少ししたら帰ってくるから!!」
「うぅぅ……お兄ちゃん……」
「きっと近所のおばちゃんと話してるだけだよ!もう帰ってくるから、な?」

しかし寂しくなったリリアは、ナイルの言葉も届かずついに泣き出してしまった。

「うわあぁぁぁん!!お兄ちゃぁぁん!!お兄ちゃぁぁぁん!!」
「リリアちゃん!大丈夫だって!!帰ってくるから!!あぁー!!エルヴィン!早く!!」

すると二人の後ろからエルヴィンが走って戻ってきた。

「リリア?どうした?泣き声が遠くまで聞こえるぞ?」
「エルヴィンっ!!遅いっ!!」
「お、お兄ちゃん!!お兄ちゃあぁぁん!!」

ナイルがエルヴィンにリリアを預けると、リリアはギュウゥと力一杯エルヴィンに抱きついた。
優しく頭を撫でながらエルヴィンが微笑む。

「リリア、大丈夫だよ?俺はリリアを置いて行ったりしないから」
「うん…うん…」

ナイルは苦笑いをしながら二人を眺めていた。


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