第31章 #31 夢のため
日没直前、調査兵団はトロスト区の壁からの出発に備え、調査兵達は最終準備を始めていた。
秘密裏に進めていたにも関わらず、何故かトロスト区の住民から応援の声が飛び交っている。
「ま、あんだけ騒いだらバレるよね」
「それが……リーブス商会から肉を取り寄せたもので…」
「フレーゲルめ……」
するとジャン、サシャ、コニーが住民たちの声援に大きな声で応えた。
「うおぉぉぉおお!!!」
「任せろーーー!!!勝ってやるー!!」
エルヴィンの隣にいたリリアはそれを見て笑った。
「調査兵団がこれだけ歓迎されるのはいつぐらいだ?」
「さてな。そんな時があったのか?」
「私が知る限りでは、初めてだ」
エルヴィンはそう答えると、自分も大きく手を上げて叫んだ。
それに合わせて住民達の声援もさらに大きくなる。
そんなエルヴィンをリリアは笑顔で見ていた。
「ウォール・マリア最終奪還作戦開始!!!進めーーー!!!」
エルヴィンの号令と共に調査兵団はトロスト区からシガンシナ区へと出発した。
行こう、ウォール・マリアを奪還しに
二人の夢を実現するために