第4章 #04 本当の性格
「…お前、えらくエレンを気に入っているな」
「え?」
「今まで隠していた性格をアイツらにさらけ出したのもエレンのためか?」
リリアが目を丸くし、首を傾げた。
「言ったでしょ?疲れるって。それにじきにバレるよ」
「バラさなきゃバレねぇだろ」
いつもと違うリヴァイの雰囲気にリリアはさらに首を傾げる。
何をそんなにイライラしているのだろうか。
するとチッと舌を打たれ、早く帰れと突き離された。
「何なの?もう!」
リリアは馬に乗るとベッと舌を出して帰っていった。
彼女の姿が見えなくなるまで見ていたリヴァイは、はぁと大きく息を吐き頭を掻いた。
「カッコ悪りぃ…」
今まで親しい者以外には見せなかった笑顔を、エレンが来てから表に出すようになったのがリヴァイには面白くなかった。
自分の中でそれは特権だと思っていたところがあったからだ。
出会った頃は嫌われていた。
エルヴィンの命を狙っていたという事実があったから。
しかしリリアは次第にリヴァイを信じ、そして頼り、笑顔を見せるようになった。
最初は眩しくてあまり目を合わせなかった時もあったが、だんだんとこの笑顔を独占したくなった。
あまり他の者には見せたくない……
「本当にカッコ悪ぃな…」