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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第29章 #29 二人の次の夢



「……だがそれは一番最悪な結果の場合だ。出来れば二人無事に戻ろう」
「うん!」
「ウォール・マリアを奪還し、エレンの生家の地下室で巨人の謎を解明し父の仮説を証明出来たら……俺はもうこんな体だからな、調査兵団は続けられない」

エルヴィンはニコッとリリアに笑って見せた。

「退団したら家に戻って穏やかに暮らしたい。その時はリリアも一緒にいてくれないか?勿論リリアは調査兵団を続けても構わないが」
「ううん!私も一緒に辞めてお兄ちゃんと家に戻る!!ずっと一緒にいる!!」

「じゃあこれは次の二人の『夢』だな」


満面の笑みを浮かべ、ギュッとエルヴィンに抱き付くリリア、エルヴィンは優しく背中を叩いた。
しかしその瞳は少し悲しげだ。




出来れば二人で無事に戻りたい
リリアと共に将来を過ごしていきたい

しかしそれが叶わなかった場合
自分が生き残れなかった場合

やはり愛する人に自分を追わせるわけにはいかないのだ

可能性があるのならば考えておかねばならない


自分のいない未来で生きるリリアの事を……


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