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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第29章 #29 二人の次の夢



あれからどれくらい時間が経過しただろうか。
エルヴィンがリリアを部屋に送り編入式に向かいすぐに眠ってしまった。
体の怠さは殆どない。


するとコンコンとドアを叩く音がし、リリアはそれがエルヴィンだと思い急いでドアを開けたが、立っていたのはエルヴィンではなかった。


「……なんだリヴァイ」
「なんだとは何だ……せっかく心配して来てやったのに失礼な奴だな」
「ごめん、お兄ちゃんかと思ったから」

訪れたのはリヴァイだった。
どうやら体調の悪そうだったリリアの様子を見に来たようだ。
リリアはリヴァイを部屋へと入れ椅子を薦めた。

「お茶飲む?」
「いや、すぐ戻る。お前の様子を見に来ただけだ」
「そう…ありがとう」

リヴァイはジッとリリアを見た。

「な、何?」
「何かあったか?」
「別に何もないよ。ちょっと私がワガママ言っただけ」
「そうか」

するとリヴァイはポケットの中から小さな袋を取り出した。
中には小さな砂糖菓子が入っている。
リヴァイはいつもリリアが落ち込んだ時などにポケットから砂糖菓子を取り出し渡す。

リリアはふふふ、と笑った。

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