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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第28章 #28 戻りたくない



「リリア、もう部屋に戻って休もう」

すると今まで黙っていたリヴァイがリリアの頭に手を置き覗き込んだ。
驚いたリリアが慌ててエルヴィンの服に顔を埋めて隠れる。


「リヴァイ、やめなさい」
「おい、目ぇ腫れ上がってんじゃねぇか。テメェ泣かせたのか?」
「色々あってね。じゃあリリアを部屋に連れて行ったら向かおう」

ハンジが頷く。

「第一会議室でやるから」
「分かった」
「リリア、しっかり休んでね?リリアが元気ないと寂しいよ?」

ポンポンとリリアの頭を叩いたハンジ、リリアは小さく頷いた。
エルヴィンは片手でリリアを抱きかかえ部屋へと連れて行く。
そんな二人をジッと見つめていたリヴァイは大きく息を吐いた。
視線だけをリヴァイに向けたハンジは小さく呟いた。


「気にしてるー」
「……うるせぇな…」




エルヴィンに抱かれたまま目を閉じているリリア、触れている体がとても温かい。

「リリア?」
「……」
「寝たのか?」
「お兄ちゃん……」
「ん?」

ゆっくり目を開けたリリアはエルヴィンを見上げた。

「ずっと……一緒にいてね」
「……いるよ」






晴れた空を見上げた。



大丈夫だよリリア
俺はずっとお前の側にいる


例えそこに俺がいなくても


ちゃんと側でリリアを見ている
お前が幸せになるように………



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