• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第27章 ●#27 兄妹の壁を越えた日



「どうした?」
「やっ!あのっ…!!来ないで!!お兄ちゃん!!」
「ん?何があった?」
「やだやだ!!来ちゃダメ!!」
「何故?!」

リリアが何故か慌てた様子でエルヴィンが来るのを拒む。
エルヴィンが近寄るとリリアが押し返そうと体を押してきた。

「ダメ!!お兄ちゃんは今日は…わ、私の部屋で寝て!!」
「だからどうした?」

顔を真っ赤にして泣きそうな顔でエルヴィンを見るリリア。

「だって……シーツ…」
「ん?」
「ご…ごめんなさい……ごめんなさい…シーツ…汚しちゃ…」
「………?あぁ!大丈夫だ、そうなるものだ」

エルヴィンは温めたタオルでリリアの体を拭きながら頭を撫でた。
どうやらシーツを汚してしまった事を気にしているようだ。

リリアは小さな頃、布団を汚してしまった時に酷く叱られた記憶があるようで、エルヴィンが引き取ってからもしばしば布団を汚した際に泣いて謝っていた。


「怒らない?」
「怒る訳ないだろう?むしろこうなったのは俺のせいだからな。明日洗濯しよう、昔よく二人で洗ったろう?リリアが漏らした時に」
「なっ!?これはお、おねしょじゃないもん!!」

ポカポカとエルヴィンの体を叩くリリア、エルヴィンは可笑しくなり、あははと声を上げて笑った。


その夜、二人は広間に布団を敷いて眠った。


とても…
とても幸せを感じた夜だった



/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp