第26章 #26 返事を聞かせて
恥ずかしくなり顔を隠すようにエルヴィンの体に抱き付くリリア、するとエルヴィンはリリアの頭を優しく抱き耳元で呟いた。
「リリア……かなり我慢したんだがもう無理みたいだ」
「え?」
「お前が愛おしくて愛おしくてたまらない……抱いてもいいか?」
「……だ、く」
リリアがギュッとエルヴィンにしがみ付く。
どうやら抱きしめる事と思ったらしい。エルヴィンはふふ、と笑うとリリアの頭を撫でた。
「違うよ、体を重ねたいという意味だ」
「恥ずかしい…」
「俺も恥ずかしい」
二人は目を合わすと笑い合い、そして再び何度も何度も口付けた。
窓から月明かりだけが二人を柔らかく、優しく照らしていた。