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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第25章 #25 二人の休日



次の日、リリアとの約束のためにリヴァイは兵舎の入り口に向かった。
向かう途中ですれ違う兵士達からヒソヒソと話し声が耳に入る。


「なぁ、あんな可愛い女兵士うちにいたか?」
「馬鹿、あれはリリア兵長だろ!」
「マジか?!普段着だと分かんねぇな」

どうやらリリアは先にいるらしい。
集合時間よりもかなり早く出たつもりだったが、リリアの方が早かったみたいだ。
視線を向けると確かに既に人影があった。

いつもならまとめている髪を下ろし、白いブラウスに滅多に履かない少し長めのフワッとした薄いピンク色のスカート。
とても兵士に見えない可愛らしい姿だ。


「よぉ、待たせたか?」
「あ!リヴァイ!待ってないよ、大丈夫」
「えらく早く来たんだな」
「私待つのはいいけど待たせるのは嫌なんだ。でもきっとリヴァイもそのタイプだろうからちょっと早目にね」

ニコッとリリアが笑う。
そうか、とリヴァイは顔を逸らした。笑顔が眩しい。
リヴァイの行動に首を傾げるリリアに行くぞと言うと、二人はトロスト区の街へと足を運んだ。



街はまだ戴冠式からのお祭りムードが抜けておらず、賑やかで人通りも多い。
一歩踏み出せば人にぶつかりそうだ。

「クソ多いな……」
「人が……迷子になりそう」

やはり進むたびに人にぶつかってしまう。
あまり肩が当たると外れた方が痛む、リリアは少しだけ顔を歪めた。
するとリヴァイがリリアに向かって手を差し出す。

「リリア、手」
「え…あ、うん」

その手にソッと触れるとリヴァイはギュッと握りしめて離れないように力を込めた。
リヴァイが先導して人を避けて歩くため、リリアは不思議なくらいにまったく人にぶつからなくなった。


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