第17章 #17 エルヴィンの想い
「階級は兵士長、巨人討伐数60以上」
「それならどうしてリヴァイ兵長は補佐にならないんですか?」
「俺はあいつの出した条件に当てはまらねぇ。もう一つの条件は団長に心臓を捧げる事だ。俺はエルヴィンを信頼しているが、アイツに死ねと言われてはい、死にますなんて直ぐに言えねぇ。リリアは言える奴だ」
皆が唾を飲む。
「だから前回、リリア兵長が団長の命令に反いた時に、あんなに団長は怒ったんですね。補佐であるリリア兵長が団長に背いちゃいけない」
「す、凄い関係だな、あの二人…」
アルミンとジャンが顔を見合わせた。
ようするにリリアはエルヴィンのもの、どこの班にも属さない。
「話が逸れたな。ようはリリアはこの班には加わらない。残念だったな、エレン。まぁ、たまには顔を出すんじゃねぇのか?アイツはお前がお気に入りだからな」
リヴァイはあまり面白くなさそうに渡された資料を見た。
二人の執着しすぎている関係を自分の口から話した事が面白くない。しかもエルヴィンからは自分のリリアへの感情も指摘されている。
「本当にムカつく野郎だな」
「えっ」
リヴァイの呟きに、自分の事かと104期生一同が固まった。