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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第13章 #13 最終捕獲作戦



取り出されたアニの体は結晶化していた。
このまま何の情報も得られないままになってしまうのだろうか。こんなにも犠牲を出しておきながら。

「リリア兵長、大丈夫ですか?」

動かないままのリリアを心配し兵士が声をかけるが、リリアは返事をせずゆっくりと立ち上がり、フラフラとアニの元へ向かう。
ハンジが止めようとするが、彼女の姿に声を掛ける事が出来なかった。
リリアは結晶化したアニに触れるとゆっくりと口を開いた。

「おい……お前のせいでどれだけの人が死んだと思う……お前のせいでどれだけの人が家族の元へ戻れなかったと思う!!」

リリアは目を見開くとガンッと結晶化したアニを殴った。


何度も、何度も、何度も。
手からは血が飛び散り、周りにいる者達が目を閉じる程に。


「返してよ!!約束…したんだから!!!みんなで…無事に……」

そしてついにリヴァイがリリアの腕を掴み、止めた。

「もうやめろ、もういい。これ以上お前が傷付いたら”アイツら”が悲しむだろうが」

リリアは涙を流すとその場に崩れ落ちた。

遠くからその姿を見ていたエルヴィンは隣にいるナイルに声をかける。
その表情は暗い。

「ナイル、少しだけ手錠を外してもらえないか?」
「何?」
「リリアと話がある。事が終わったら再び拘束してもらって構わない」

ナイルは悩んだが、エルヴィンの手錠を外した。
そしてエルヴィンはゆっくりとした足取りでリリアの方へ向かい、座り込んでいる彼女の前に立つと膝を着いた。
リリアがゆっくりエルヴィンを見上げる。

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