第12章 #12 女型の正体
壁外調査から戻り調査兵団達は待機を命じられ、エレンも召喚の日取りまでリヴァイと共に旧調査兵団本部に再び戻る事となった。
そんな中、軽傷で済んだアルミンは食堂でジャン、ミカサとで話をしていた。
「アルミン、怪我軽くて良かった」
「うん、ありがとうミカサ」
「何だよアルミン、浮かねぇ顔して」
先程から何か考え事をしているアルミンを見てジャンが尋ねた。
うん、とだけ返事をし再びアルミンは考え込み、暫く見守っているとアルミンは顔を上げた。
「エルヴィン団長と話がしたい」
「は?」
「どうしても気になることがあって…。どうにか面会出来ないかな」
ミカサとジャンは顔を見合わせた。
同じ調査兵団と言っても相手は団長のエルヴィン、新兵の自分達ではなかなか話が出来そうな相手ではない。
その時だ、食堂の入り口からハンジが通路を歩いているのが見えた。
ハンジならまだ話しかけやすい、アルミンは慌ててハンジを追いかけた。
「ハンジ分隊長!!すみません!!」
「ん?おや、君は……えっと……」
「104期の新兵アルミン・アルレルトです!実はお願いがあって…」
「お願い?なんだい?」
ジャンとミカサもアルミンに追い付いた。
「女型の巨人の事で気になる事があって。エルヴィン団長と話は出来ませんか?」
「女型の?いいよ」
「え?本当ですか?」
あぁ、とハンジは歩き出し、アルミン、ジャン、ミカサの3人はハンジの後をついて歩いた。
あまりに簡単に団長に話が出来るとなり3人は少し拍子抜けしたが、それはハンジだからだろう。
ここで会えたのは運が良かった。
しかし向かっているのは団長室ではない、一体どこへ行くのだろうか。