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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第92章 失踪ルート#02 偽りの兄妹



辺りはすでに暗くなっていた。
窓から外の様子を確認するエレン、知った顔は今の所ない。

「ねぇ、エレン。その協力してくれる人?っていうのはいつ来るの?」
「明日です。だから今夜はゆっくり休みましょう。リリア兵長はベッド使って下さい」
「ん?エレンは?」
「オレはこのソファで寝ますから」

ブンブンとリリアが頭を振る。
勝手に着いてきたのは自分だ。精神的にも疲れているエレンを休ませてあげたい。

「私がソファ使う!アレなら床でも私は寝れるし!」
「何を言ってるんですか!リリア兵長を床で寝させるなんて出来るわけないでしょう?」
「えぇ?……ん〜、じゃあ一緒に添い寝しよっか!」

エレンが固まり目を見開く。
その顔は今までに見た事もないくらいに真っ赤になっていた。

「そ、んな事出来るわけないでしょう!?リヴァイ兵長に殺されるじゃないですか!!」
「いや、リヴァイいないし、殺さないし」
「と、と、とにかく!オレは大丈夫ですからリリア兵長がベッドで寝て下さい。その方がオレは安心します」

いくら言ってもエレンの意見は変わらない。
リリアは諦めベッドに潜り込むとジッとエレンを見つめた。
それに気付いたエレンは柔らかく笑い、お休みなさい、と一言言うと部屋の明かりを消した。

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