第3章 二人の距離……交わる想い
さりげなく隣に腰掛けて問うと、一瞬だけこちらを向いた二郎が、目を逸らしたまま、赤くなって挙動不審に言葉を発した。
正直、私はわざと二郎にひっついている。服も、いつもの部屋着より、露出の高い物に変えた。
二郎には申し訳ないけれど、私はやる気満々である。
後は、二郎次第だ。
「お、お前っ……わざとやってるだろ? 誘ってんのかよっ……」
二郎にしては鋭い。私は口元を押さえながら、目を逸らし続け、体を後ろに引いた二郎に、どんどん迫る。
「だったら、どうする?」
「クソッ、お前ばっか余裕かよっ……」
余裕なんてあるわけない。
私の心臓は爆発しそうなくらい、激しく波打っている。
二郎の手を取って、私は自らの胸の辺りに持っていく。
「余裕じゃないよ? この音、分かるでしょ?」
二郎が喉を鳴らした。
「二郎はさ、私といて……一回もそういう事、考えなかった?」
何も言わなかった二郎が、突然立ち上がった。
頬を赤くしたまま、私の膝裏に手を差し込んで、俗に言う“お姫様抱っこ”をした。
「煽ったの、お前だからな。後悔すんなよ」
「ここまでして、後悔なんてするわけないでしょ」
首に手を回して、笑う。
私を抱えたまま、部屋に着くとゆっくりベッドに降ろされる。
覆い被さるように、二郎が私の上から私を見下ろす。
この体勢は、結構恥ずかしい。かなり、ドキドキしてしまう。
「止めるなら今だぞ? マジで……始めたら、止めらんねぇからな……」
「うん、止めなくていいよ。来て……二郎……」
赤い顔なのが、薄暗い部屋でも分かる。
顔が近づいて、唇が触れる。
「んっ……はっ、ンっ、ふっ……」
触れるだけのキスから、深いキスに変わるのに、時間はかからなくて、私もそれに応えるようにキスを返す。
お互いが貪るようなキスを交わしながら、二郎の手がお腹の辺りに来て、そのまま中へ入ってくる。
腰、脇腹と撫でる手が、何も付けていない胸に置かれる。
胸を包む手の平が、胸の先にある突起を擦り、体が跳ねる。
「ん、ぅンっ……」
「はぁ……胸……柔らかっ……」
感想を小さく呟く二郎が可愛くて、微かに喘ぎながら、少し笑う。
上の服を脱いで、露になる胸に、二郎は興味深々だ。