• テキストサイズ

The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第5章 聖夜決戦


「……なんで邪魔すんだ?」

「……あ?」

「また“みんな”で走りてぇだけなのに。三ツ谷がいなくなっちまったら、兄貴も場地も悲しむだろ!?」

「……マイキー……。オマエ……」


ゾクッと和泉は悪感を覚えた。
マイキーの瞳は何処までも真っ黒であり、その表情は全く読めないもの。

同時に武道も嫌なものを感じていた。
そして稀咲と12年後の未来の一虎の言葉を思い出す。


『マイキーは弱ってる。マイキーはもう駄目かもしれねぇ』

『マイキーは変わり果てた。東卍が変わったのはマイキーが変わっちまったからだ。仲間なんてもう信じちゃいない。アイツはもう不良なんかじゃねぇ。マイキーは巨悪だ!!』


(ダメだマイキー君!!!その状態で戦っちゃ)


その時だった。
大寿の拳がマイキーの顔面に入り、マイキーはそのまま床に叩きつけられた。


「……え?マイキー……君?」

「佐野、先輩……佐野先輩!!!!」


和泉の叫びに同調するかのように、教会の鐘が鳴り響く。


「聖夜の鐘までオレの勝利を祝福してる!!無敵のマイキー破れたりぃぃ!!!」

「そんな……一発で……!!?」

「大寿、テメェエェ!!!殺す!!!」

「隆さん、駄目!!!」


大寿に殴りかかろうと、走り出した三ツ谷だが直ぐにその動きを止めた。


「あ……」


大寿の後ろでマイキーが立っていた。


「聖夜(いのり)は終わった」

「佐野先輩!」


唇から血を流してはいるが、しっかりとその場に立っているマイキー。
だが青宗はそんなマイキーは大寿には勝てないと確信していた。

大寿は頭がキレる。
だが本質はそうではない……大寿にな異次元の暴力があるのだから。


「もう止めとけ、佐野万次郎。テメェと大寿(ボス)じゃあ、レベルが違う。オマエは大寿(ボス)の覇道に転がってる小石にすぎねぇ」

「今日一番の力でぶん殴ったんだけどな。さすがに一発じゃ沈まねぇか」

「マイキー」


立ち上がっているマイキーを見た武道は荒い息をしながらも、マイキーが立ち直っていないと思っていた。


(マイキー君、なんとか立ち上がったけど……絶ッ対ェやっべぇ!!やっぱり立ち直ってないんだ!大切なモノを立て続けに失ったから。そして何より、柴大寿!!!別格すぎる!!)
/ 624ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp