The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第5章 聖夜決戦
何キロも走ったかのような気怠さと、心地良さと、ナカに残る気持ちよさに目が回りそうになる。
「和泉、動いても大丈夫か?」
隆さんの言葉に、無言で何度も頷きながら首元に抱き着けば、隆さんが小さく笑ったのが聞こえた。
「動くぞ」
そう言われて腰を強く引き寄せられ、グリッとナカを抉られるかのような刺激が襲ってきた。
その強い快楽にまた、隆さんの肩を噛む。
「んんッ!んっ、ふっ……あ、ふぅッ!」
「はっ……和泉……」
余裕のない声で名前を呼ばれる度、ナカがきゅうと疼いてしまう。
「締めすぎッ……」
「んッ、ふぅぅッ、っ〜〜!んんんッ!」
「和泉……ッ」
肌同士がぶつかり合う音が強くなる。
その音の中に、私の押し殺した声が加わっていた。
音が恥ずかしいと思っていたのは最初だけ。
今はもう、気持ちいいとしか考えられなくて、激しい動きに意識を飛ばさないのに必死になっていた。
「ふぁッ!あ……ッ、んっ〜!んんんッ!」
「和泉、もう……ッ」
「い、くっ……んっ、あッ……!」
「オレもッ……くっ!」
「んんんんッ〜ッ!!」
お互いの身体がビクビクと跳ねる。
同時に達した事が分かった瞬間、力が抜けて後ろに倒れそうになった。
「おっと……」
慌てて隆さんが抱き寄せてくれて、なんとか首元に縋り付く。
「大丈夫か?和泉」
「は、い……」
「目がトロンってしてる。眠い?」
「少し、だけ……」
喧嘩するよりも体力を使うかもしれない。
私は眠気が押し寄せてきて、なんとか目を開けていたけれど、油断したら眠ってしまいそう。
「後のことは、オレがするから寝てていいぞ」
「でも……」
「大丈夫。無理させちまったし、眠りな」
隆さんはゆっくりと私を敷布団に押し倒してから、布団を掛けてくれる。
布団の温かさに、うつらうつらとしていれば彼は優しく私の頭をなでてくれていた。
「明日まで我慢しようと思ってたのにな……。好きな女の子相手だと我慢も出来ねぇか」
そんな言葉が聞こえてきたけれど、私はゆっくりと夢の中へと落ちていった。
「黒龍の件、何とかしねぇとな……。八戒も和泉も奪われてたまるか」