The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
最初和泉は千冬へのイメージは警戒心が強い犬。
主人にしか懐かないような犬のイメージを持っていたが、もしかしたら警戒心が解れたら懐く犬なのかもしれないと思いながら首を傾ける。
「あ、でも三人だからトリオか?」
「芸能人かよ」
「そうだ神澤、苗字じゃなくて名前で呼ぶな!和泉!」
「お前、フレンドリーすぎて気持ち悪い」
「オレの事は相棒って呼んでくれ!」
「話聞く事を覚えろよ、千冬」
「なんでお前ら幼馴染は相棒って呼んでくれねぇの!?」
ギャーギャーと夕方近くまで騒いだ三人。
千冬はその後帰っていき、和泉はそろそろ出掛ける準備をする為にと一旦自宅へと戻る事にした。
そして武道は緊張している…恐らく今日、ドラケンの言う事が本当ならば和泉は襲われる。
(絶対に守らねぇと……)
意識不明の重体、マイキーが一虎を殺してしまう原因の一つになる事件。
絶対に守らなければ…絶対に襲わせないと思いながら、玄関で靴を履いている和泉を見ていた。
「……武道、眉間に皺寄ってる」
「あ……」
「大丈夫。その未来では俺は襲われたけど、今回は襲われるというのを知ってるんだから…そう簡単に襲われない。それにお前が守ってくれるんだろ?」
「…うん」
「じゃあ、取り敢えず一旦家に戻るから。19時に俺の家の前にな」
「分かった」
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ー和泉sideー
分家に行くと気分が落ち着く。
何せ本家と違って殺伐とした雰囲気ではないし、何より分家で過ごすと楽しい。
硬っ苦しい本家と気楽な分家……同じ血が流れている筈なのにどうしてこうも違うのだろうか。
「出来るなら、分家に生まれたかったな…」
なんて言っても叶うわけない。
自分を嘲笑いながら、出掛ける準備をしているとふと武道の言った言葉を思い出した。
今日、羽宮一虎に命令された奴らに襲われて意識不明の重体となってしまう。
にわかには信じがたいと思ったが、武道が未来で聞いた話なんだ…そうなるんだろう。
(俺は…油断してたのか?狙われないって……だから襲われたのかもしれないな)
そして俺が襲われたから佐野先輩が羽宮一虎を殺す事になったのだろうか。
俺だってその理由は分からない…何故なのか分からない。