The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第4章 血のハロウィン
「しかも一虎は、あの抗争の3日前にイズミっちを部下に襲わせてる。それがマイキーが一虎を殺す理由の一つになっちまった…殺そうとしたからなイズミっちを」
「……え?」
「後ろから来たバイクに乗った奴らに…鉄パイプで頭を殴られて、イズミっちは抗争に来れなかった。意識不明の重体でな……。もしあの日、イズミっちが襲われずに抗争に来てたらマイキーを止めれてたかもな。アイツは…マイキーのストッパーだったから」
「おそ、われた…?和泉が?」
「ああ。場地をそそのかそうとしたって…一虎がキレて襲わせたらしい。連絡が来て病院に駆け込んだらICUに居たよ」
知らない話だ。
まさか過去で和泉が襲われて意識不明の重体となっていたなんて知らなかった。
いや知るわけがないのだ…“今の”武道にはその当時の記憶が無いのだから。
「…ドラケン君。もう1つ訊いでいいですか」
「なんだ?」
「なんで、稀咲は和泉を無理矢理相談役に?」
「そりゃ、イズミっちの力と名誉に権力と金が欲しかったからだよ」
「和泉、ずっと東卍に?」
「いや…オレと三ツ谷が辞めさせた。でも頑なに辞めようとしなかったんだ。マイキーがこれ以上人を殺さないようにってストッパーになる為にな。それが稀咲の癪に障ったんだろう…それ以来何度もイズミっちの命を狙いだしから、辞めさせた」
その言葉に武道は『ああ…約束したからか』と思い出す。
和泉は、あの時未来に戻る前に自分に任せろと言っていたから。
だからマイキーをなんとか止めようとしていたんだなと気付き、泣きそうになった。
そして武道は直人と共に拘置所を後にした。
帰り道、足が何故かズンッと重くなっていて武道は苦しくて堪らなかった。
「マイキー君は絶ッ対ェ人を殺したりしない。わかってんのに…信じてるのに…ドラケン君と話してると何故か浮かんでくるんだ。その時の光景がっ!!しかも…血だらけで倒れてる和泉の光景も…!!」
ドラケンと話している間に浮かんだのは、和泉が血だらけで倒れている姿。
そしてICUに入り酸素マスクを付けられた姿…見ていないのに何故か浮かんでくる光景。
何故そんな光景が出てくるのか武道は分からずに、余計に混乱が強まるばかりだった。