The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第3章 8・3抗争
このキスマ絶対あの時だ。
抗争後の夜中に、三ツ谷先輩の家で手当してもらった時に何故か急に鎖骨辺りにキスをされた時。
絶対にあの時かない。
(普段、家でシャワー浴びる時に鏡見ないから気付かなかったっっ!!!)
恥ずかしさでどうにかなりそうだ。
よくこれ母さん達に見つからなかったな!!と思いながら、恥ずかしさ等で震えていれば龍宮寺先輩が何とも言えない表情をしていた。
「もしかして…三ツ谷か?」
「………はいっ」
「……アイツ」
龍宮寺先輩は深い深い溜息を。
俺は恥ずかしさでいっぱいになり、意味は無いけど服を上に上げて上げてなんとか隠れるようにした。
「……食われてねぇよな」
「食われてないですからっ!」
「そっか…。アイツ意外と手が早いんだな」
また龍宮寺先輩はボソボソと言っており、俺はなんとも言えない感情のまま椅子に座った。
この間も思ったが本当に期待させるような事はしないでほしい…。
そう思いながら一旦落ち着こうと深い深い息を吐く。
すると少しだけ落ち着いたので、龍宮寺先輩を見て入院着を見た。
「死にかけたのに、龍宮寺先輩元気ですねぇ」
「頑丈だからな」
「頑丈なら死にかけないでくれますかねぇ…。エマの事散々泣かせて」
「怒ってんのか?」
「当たり前ですけど」
エマはずっと泣いていた。
あの子には二度と辛い思いで泣いてほしくないと思っていたのに、この男は……。
「俺はエマには二度と辛い思いで泣いてほしくない。そして、あの子にとって大事な人間が死ぬという事で泣いてほしくないんですよ」
桜子さん、真一郎くん、鳴ねぇ。
今までエマは大切な人を3人も亡くしていて、次は大好きな人までを失う所だった。
好きな女の為なら泣かすな。
好きな女の為なら死のうとするな…そんな感情が溢れそうになるがグッと我慢した。
「エマを泣かすようなら、俺は認めませんからね」
「……厳しいな」
「大事な幼馴染なんで」
「兄貴の前に、お前が1番の壁だなぁ…」
佐野先輩は反対なんてしなさうだな。
そう思っていると、ペタペタという足音が聞こえてきたと思えばカーテンが勢いよく開いた。
「ケンチーン!!イズミっち!!やっほ!!!」
「マイキー、テメェうるせぇよ。場所考えろ」
「あ、ごめん。つい何時ものノリで」