第10章 しゅわしゅわ
『俺が疑われてるのは気づいてる、好きにしろ···だが彩華だけは疑うな』
「あの目は本気だったんだよね。言い方を変えると"俺が捕まえる"と捉えたよ」
「ロナルドさん···優しすぎる」
「だから君は安心して帰りを待とうか」
「はい!」
✿✿✿
ぺっ
「まっじぃ」
「がっ····なん··で··」
「何でって。お前だろ?俺を犯人に引き立てていた悪い吸血鬼はよ」
「お前が····」
「あん?」
「お前が人間と交わるからだろ!俺達は人間から畏怖される吸血鬼だぞ!?」
「·······」
「はぁ····はぁ····なにかいえよ··」
「死ね」
「はっ···」
スナァ······
「仲間とか関係ねーよ。吸血鬼だろうと何だろうと妖が人間と共存するのがいいんだよ」