第6章 アブラカタブラ
『どうしたんだい?ロナルドくんと喧嘩したかい?』
「してませんよ、ただ自分が嫌なだけです」
『··君は昔から優しすぎる、少しぐらいロナルドくんにわがまま言ってごらんよ』
「わがままって···言えませんよ!」
『ロナルドくんは彩華くんにわがまま言ってほしそうだよ?』
「まずわがままって何言えば···」
『あー、確かに昔からわがまま言わないよね』
「まず、何を言えば···」
『悩むね~~~···歌はいいのかい?』
「··一緒に歌いた···」
『··?』
「すみません、前から人が来たので切りますね、ありがとう··ドラルクさん」
ぴっ
すくっ
ぱんぱん
「···(いけない、護衛の振りだからあまり目立ってはいけない)」