Bitter Sweet【DEATHNOTE】【L】
第1章 *アメリカ留学〜出逢い〜*
#04
エルと付き合って1週間。
突然の交際スタートに今でも実感は湧かないけど…。
私は彼の能力と人間性にどんどん惹かれていった。
だって何の取り柄もない私とは、正反対だから。
あの天才エルが彼氏だなんて、今でも信じられない。
噂はたちまち大学を駆け巡って、知らない人にもよく声をかけられるようになった。
エルの信者みたいな人は沢山いるみたいだけど、エルが彼女を作ったなんて初めてみたい。というか、畏れ多くて近付かない人が大多数のよう。
『ねえ、エル…ほんとに私なんかでいいの?』
ぽかぽかしたいい天気の昼下がり。
キャンパスをエルと肩を並べながら歩く。
あのエルが私の隣にいるなんて、不思議で堪らなかった。
「私なんかって…さん、可愛いじゃないですか。」
『…っ!』
無表情でいうエル。
顔が熱くなるのを感じる。
こう言う事を恥ずかしげも無く言ってしまうところも、エルの魅力だった。
『でも私の素性とか何にも知らないのに…』
「知ってますよ。」
『え?』
「さんの素性なら、知っています。一応こう見えても趣味で探偵をやっているので調べさせて頂きました。」
探偵…?趣味…?
ぶっ飛びすぎてて頭が混乱するけど。
『そ、そうなのね…。』
「勝手に調べてしまいすみません。さんに怪しいところは特にありませんでした。」
怪しいところ…?
それを聞いて思わず吹き出してしまう。
『あははっ、怪しいところって何それ!
やっぱりエルって面白い。』
キョトンとして私を見つめるエル。
「私が面白い…ですか。」
頭を掻いて何故か照れるような仕草をする。
『ふふっ…』
…本当はもっと、長く一緒にいれたらいいのに。
私の日本帰国への時間は着実に迫っていた。