第9章 微熱を帯びたお酒
一瞬豹変したフィンを見て
ハンジが笑う。
「フィンも怖い顔するんだね」
と言いながら話を続ける。
「地下街のごろつきも従えてるから、間違いないだろう。
明日、部隊を編成して、
地下街に潜入して
ノインの捜索をしようと思う。
シャコールを直訴するには証人は不可欠だからね。
証人の保護を目的とする任務だ。」
フィンがそっと口を開く、
「明日、私も連れて行ってください。
きっと役に立ちます。お願い」
「ダメだ。
もし今すぐにでも調査兵団に入団したとしても、
正式にエルヴィンが認めてない以上、
フィン。君は一般人と変わらないんだ。」
とハンジがフィンの言葉を遮り、
強い口調だ言い放った。
「・・・モブリットさんも・・・」
「分隊長の意見に賛成です。
もっと言えば、フィン、キミは暗殺者だ。
いつシャコールに寝返ったっておかしくない・・・。」
唇をかみしめモブリットは言い放ち、
フィンから視線を外した。
腕組しながら話を聞いていた
ナナバが口を開く。
「・・・決まりだな。
明日の任務については調査兵団だけで行う。」
話は終わったな。
とナナバは部屋を後にした。