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≪進撃の巨人≫ 蒼翼の天使 

第8章 理由と意地




フィンは泣きながら

昨日の夜、リヴァイへの憧れを諦めたこと、

ノインの告白、自分が体を受け入れたこと、

ただただリヴァイに今朝の情事について
知られたくなかった、

ついさっきリヴァイに冷たくしてしまった後悔、

胸の内を全て吐き出した。


モブリットはフィンの涙をそっと拭って
ゆっくりと抱き寄せた。


「‥…フィン、
たくさんつらかったね。」
ぎゅっとフィンもモブリットの胸に抱きつき身を寄せる。


「‥‥‥フィン、兵長のこと
まだ好きなんだね。」
と悲しそうに笑うモブリット。




「・・・・・・ううん。
雨が止んだから終わりにしたの・・・」


フィンは窓から見える空に目を向けた。

夕日が見える空がうるんだ瞳にうつりこむ。



「・・・・よかった。
俺にもチャンスはあるってことかな」
振り返ってモブリットの顔を見上げる。

はにかむモブリット。



「惹かれてるんだ、フィン、君に」
フィンの鼓動が高まる。
心臓がぎゅっと苦しくなった。



「仮面舞踏会の夜の君に惹かれてしまって、
でも団長に毒を盛ったとは思えなくて。
困惑したけどね。」
困ったような笑顔をフィンに向ける。


小さい声で
「ごめんなさい。」
とフィンが呟く。



「『堕天使』の君も魅力的だったけど、
今のフィンの方がもっと魅力を感じるんだ。」
モブリットの素直な言葉に
フィンの顔に体中の熱が集中する。


モブリットの指先が
夕日に照らされるフィンの髪の毛に触れる。

「フィンの髪の毛って
何色にでも染まるんだね」
きらきらと反射する髪の毛を
モブリットの指がさらり。と触る。


フィンの耳元のきらきら光る髪をかきあげ、
「‥‥フィンも俺色に染まらないかな。」
悪戯に笑いながら耳元で囁かれる。

「‥…クサかったかな‥‥
あ‥‥フィン耳まで真っ赤だね」
くすくすと楽しそうに笑うモブリット。


フィンは逃げるように
モブリットから体を離した。
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