第16章 友人と乾杯
フィンは一人でお酒を
浴びるように飲んでいく。
エルヴィンが
「もうよしなさい。」
と言っても聞く耳を持たず。
ナイルは好きなだけ飲めと
たくさんワインを注いでくれた。
空になったワインボトルを見て
エルヴィンはフィンの酒の強さに驚愕した。
一緒に途中まで合わせてフィンと飲んでいたが、
これ以上飲んだら吐きそうなほどに
限界を感じてエルヴィンは飲むことをやめた。
ナイルはソファーでいびきをかいて寝てしまった。
フィンはまだワインを飲もうとしている。
「もう、やめなさい。」
エルヴィンが言うことを
聞かないフィンにしびれを切らして
また自分の膝に座らせる。
「やめなさいってそれは命令すか?」
完全にろれつの回っていないフィンに、
水を飲まそうとする。
水なんかいりません!
と手をパタパタしてフィンは水を拒否する。
「命令だ、水を飲みなさい」
とエルヴィンがため息交じりに話す。
「嫌です!!!」
エルヴィンの方向にフィンは体を向ける。
「エルヴィンさんも飲んでくださいよ!!」
質の悪い酔っ払いに豹変してしまったフィンに
エルヴィンは頭を抱える。
「いい加減にいうことを」
「エルヴィンさんが全部悪い。」
フィンが俯きながらぼそっとつぶやいた。
「悪かったよ。すまない」
「責任取ってくださいよ・・・」
「・・・・・・それは・・」
フィンがエルヴィンのループタイを
引っ張りながら口づけをする。
エルヴィンの口の中にワインが注ぎ込まれる。
フィンはワインボトルを
いつの間にか片手に持っていた。
またフィンはワインボトルを口につけて
キスをしながらエルヴィンに飲ましていく。
だいぶ質の悪い酔っ払いを相手にエルヴィンは苦笑いする。