第4章 初めまして、後藤です
それにしても、知らなかったな。
不死川様にあんなに可愛い恋仲の子がいたなんて。
春の陽射しみたいな、あったかい子だったな。
これ他の奴らが知ったら驚くだろうなぁ。
あー、言いてぇ。
…。
いや、やめとこ。
今まで誰も知らなかったんだ。
きっと不死川様はご自分の事はあまり表には出したくない方に違いない。
それなのに、俺が言いふらしたなんて知れてしまったら…
今度こそ本当に刻まれる…。
それに、俺だけが知っているってのも、特別感があっていいだろ?
いつか、一緒になるんだろうか。
俺としては是非そうなって欲しいと思う。
鬼のいない平和な世を作るために、己を犠牲にして闘っているのだ。
“好いた者と生涯を添い遂げること"
そんなささやかな幸せを願ったって、ばちなんか当たらない。
俺は密かに応援しようと、この青い空に誓った。
不死川様と水篠さんの、これからの未来を。
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