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小春日和 【鬼滅の刃 不死川実弥】

第1章 幸せのカタチ


「俺は自分の仕事をしただけです。それで水篠さんの命が救えた事は本当に良かったと思っています」

「ええ、本当に。有難うございます。今日はお代は頂きませんので…」

「いえ!そういうわけには……」

俺は慌てて断るが、女将さんに押し切られる。

「どうか、おもてなしさせて下さい。奥のお二人も、同じ…鬼狩り様なのですよね?お二方の分も今日はお代は結構ですので。ゆっくりしていって下さいね」

「えぇえ!そんな、私達の分までなんて悪いです!私、沢山食べちゃうし……」

「いいえ、いいんですよ。いつも美味しそうに沢山食べてくださるのでとっても嬉しいわ。遠慮なく食べていって下さいね。葉月、あとはお願いね」

「はい」

「失礼致しました」と言って女将さんは下がって行った。


「女将さんに奢られちまったなァ」

「本当は私がそうしようと思ってたんですけどね」

「しなくていいっつったろがァ」

「それはそうなんですけど…。皆さんご注文は大丈夫ですか?」

「緑茶を、頼めるか?」

「俺も緑茶頼むわァ」

「私桜餅を……2皿お願いします」

「2皿だけでいいんですか⁈」

「え?」「は?」「あァ?」

オイどうした?
客の注文に店員が文句を言うっつーあり得ねェ状況になってんぞォ……。

「は!すみません!いつも沢山食べていかれるので2つでいいのかなって思って……」

「気を使わせちゃったわね!ごめんなさい!本当は食べたいのだけれど、遠慮してしまって……」

「女将さんは沢山食べてくれる人好きなので、遠慮せずに食べて下さい!その方が喜びます!」

「そうなのね。じゃあ…桜餅を10皿下さい!」

「はい、かしこまりました!少々お待ちくださいね」

水篠は、受けた注文を伝える為奥の厨房へ入って行った。



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