第17章 大正恋物語【煉獄家】
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【槇寿郎SIDE】
まゆが屋敷に着いた頃、産屋敷邸では緊急柱合会議が行われていた
耀哉「皆集まってくれてありがとう。皆の顔を見られて嬉しいよ。さて、今日集まってもらったのは最終選別についてなんだ」
最終選別…何かあったのだろうか。娘は、まゆは無事なのか!?
風柱「確か煉獄の娘が…」
耀哉「そうだね。槇寿郎の娘、まゆが出ているね」
俺は正直生きた心地がしなかったが、お館様の次の言葉を待つ
耀哉「最終選別は早くも、朝方に終了したよ」
槇寿郎「しかし、まだ二日目では…?」
人が全滅したのか?それは稀に有る事なのは知っているが
娘は…
耀哉「うん。鬼が、ほぼ居なくなってしまったからね。鬼が居ないのに、流石に続けられないだろう?」
水柱「この回は、大変粒揃いなのでしょうね。楽しみだ」
槇寿郎「娘は…生存しているのでしょうか」
藤襲山の鬼がほぼ滅っせられたのは良い事だ。それだけ戦力になる者が居るという事
しかし、まゆは無事なのだろうか…まて、落ち着け俺!まゆは四百年前の柱だ。そして五歳の時点で手を抜きすぎれば、勝てなかったであろう存在
最終選別などで死ぬわけがない…本当に粒揃いなのかもしれぬ
耀哉「槇寿郎落ち着いてね。誰一人として命を落としていない。そのまゆが、藤襲山の鬼をほぼ全滅に追い込んだんだよ。流石は槇寿郎の娘だね。娘さんの合格おめでとう」
鳴柱「すげーな煉獄の娘。これは息子にも期待大だな!」
槇寿郎「勿体無いお言葉、誠にありがとうございます」
良かった…考えたら当たり前なのに、何故こんな焦ったんだ俺は。恥ずかしくなってきたじゃねぇか!
心配させやがってあのバカ娘が!
耀哉「これにて柱合会議は終了する。槇寿郎、ちょっと良いかな?」
槇寿郎「はい」
他は帰り、俺だけ残された。間違えなくまゆの話だろう。しかし緊急柱合会議にも拘わらず話がこれだけなのは何故だろうか
今のうちからまゆを、他の柱に認知させる意図が有ったのか?俺には、お館様の考えが読めない…
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