第17章 大正恋物語【煉獄家】
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まゆ「やぁー!」
バシッ
父上が私の究極の技『ジャンプ斬り』を軽々と竹刀で受け止めた。悪い人喰い鬼を退治する政府非公式の組織、鬼殺隊の炎柱を務めている自慢の父上だ
槇寿郎「まゆは強いな!」
私は煉獄まゆ。金髪ストレートロングに赤メッシュが特徴の五歳で、正真正銘ピチピチなヤングである
まゆ「ありがとうございます!今のはジャンプ斬りという、私の必殺技です!」
父上が私の頭を撫でてくださる。私はこの大きな手に撫でられるのが大好きなのだ
槇寿郎「そうか!素敵な技だな、これからも精進するように!」
まゆ「はい!」
私は鬼殺隊に入りたいが父上が反対していて、それを言うと「まゆは女子なのだから、鬼殺隊に入らずとも良い。身を守る術だけ身に付けなさい」と言われるから、口に出せなくなったんだよね
本当は父上の様な立派な鬼殺隊隊士になって、ゆくゆくは柱になりたいのだけど、どうしたら許可をくださるやら…
杏寿郎「父上!俺も相手してください!」
槇寿郎「うむ、ではまゆと交代だ!杏寿郎、かかってきなさい!」
やたら元気良くブンブンと竹刀を振り回し、大きな声を上げながら父上に駆け寄って行くのが、私の双子の兄である杏寿郎だ
杏寿郎「うぁぁ!むっ、父上が強すぎる…俺も、いつか追いつきます!!」
槇寿郎「杏寿郎は頼もしいな、期待しているぞ!ハッハッハッ」
稽古の後は母上と夕餉の仕度をする。父上と母上曰く『花嫁修業』だそうだけど、私は嫁に行かず鬼殺隊に入るの!
父上が任務に行くので早めに仕度をしなければならず、気合いを入れて台所へ向うと既に母上が待っていた
瑠火「今日は母と唐揚げを作ってみましょう。まゆが料理上手になれば、将来的に旦那さんが喜びますからね」
まゆ「はい!母上の様な料理上手になります!」
自分の為に…だって嫁になんか行かないもん!バリバリ仕事して独り暮らしするのさ私は
瑠火「そうです、上手ですよ。油跳ねに気を付けて入れてみましょう」
そっと揚げ油に衣をつけた肉を入れていく。ちょっと怖かったけど、難なく出来てホッと一安心だ
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