第9章 地獄四谷タクシー怪談
朧車「どうしたよ於岩。もしかして夫にまだ未練があるのか?」
於岩「バカだね、ないよ...ないよ」
その瞬間、朧車が急停止した
於岩「おわっ」
貴方「っと...」
バランスを崩してしまったが、鬼灯に腕を掴まれそのまま抱きしめられた
鬼灯「大丈夫ですか、瓜美」
貴方「大丈夫だけど何も抱きしめる必要はないんじゃない?」
鬼灯「いいじゃないですか、別に」
貴方「よくないってば。今はダメでしょ」
鬼灯「...それもそうですね」
しぶしぶ離れる鬼灯
貴方(すっごいしぶってる)
仕事モードに戻りのれんをめくって外を見る
鬼灯「?どうしました?」
貴方(一瞬で変わった...)
朧車「あの...あれ...俺の友人なんですけど...なんか飛び方がおかしいような...」
前にいる朧車のことだ。動きがフラフラとおぼつかない
貴方「友人って...タクシー乗り場にいた?」
瓜美も顔を出す
朧車「そうです。さっきお話しした怪談体験をした同僚です」
貴方「イヤ、怪談は貴方がたなんですけどね」
そこに地獄の警察『烏天狗警察』がやって来た
鬼灯「烏天狗警察じゃないですか、どうされました?」
烏天狗「これは鬼灯様、瓜美様...先程、指名手配犯の亡者を見たと通報がありまして...どうもあのタクシーの中ではないかと...」
朧車「ええっ!?アイツ大丈夫ですかっ!?」
貴方「指名手配?」
烏天狗「はい、民谷伊右衛門という男なのですが...」
烏天狗が見せた手配書に於岩が反応した
於岩「いっ...伊右衛門様!!?」
於岩の夫らしい
於岩「こうしちゃおれないよ!朧の旦那追跡してくんな!!」
烏天狗「イヤ、あの堂々と勝手なマネされると困ります」
伊右衛門「オイッゴチャゴチャうるせェぞ警察!!俺はネ●バスに乗るのが夢だったんだ!!」
ネ●バスじゃないのは見てわかるだろう...ネ●バスと朧車は大分違うぞ伊右衛門
烏天狗「アイツ意外とアホだぞ!?」
烏天狗「残念なイケメンだ!」
鬼灯「聞きしに勝るバカ男ですねぇあのままタクシーの金も奪って逃げる気ですよ」
於岩「...」
貴方「於岩さん?」
朧車「あっ...!?」
急に伊右衛門の方へ飛んでいく於岩
於岩「伊右衛門様ァァァ伊右衛門様ァァァお側に置いて下さいましィィィ」
伊右衛門「!?」