第9章 地獄四谷タクシー怪談
鬼灯「しかし......タクシーも大変ですよね。変な客もいるでしょう」
朧車「え?ああまあ......困ったお客様はどこにでもいますよねえ」
貴方「酔っ払って吐いたりとか......」
朧車「ハハハッそんなのしょっ中ですよ~鬼さんは酒好きですしねぇ」
鬼灯が金魚草の風呂敷で包んでいた団子の箱を開けた
鬼灯「瓜美も食べますか?」
瓜美に団子を一本あげる
貴方「うん、ありがと」
団子を食べ始める
鬼灯「......瓜美、頰がリスみたいになってますよ(可愛い可愛い...)」
少し口に入れすぎた瓜美
貴方「いや美味しくてつい...てかそこまでいってた?」
鬼灯「はい」
貴方「わぁ......(気をつけよう......)」
鬼灯「でも可愛いかったので私としては見れて良かったです」
貴方「良くないし可愛いは余計」
朧車「ハハッお二人は仲良しですねェ」
朧車「あっそうそう、怖い話があるんですよ~」
鬼灯「怖い話?」
朧車「ハイ、これは友人の体験談なんですけど......」
──
人気のない通りを女が一人......
女「あの......地獄の門まで......」
その女は口数が少なくやけに青白く、しかし妙な存在感がある......
そして地獄の門で......
女「あっ待って閉めないで!私、間違いだったのよ!」
──
朧車「その女......生きてたんです......臨死体験してやがったんですよお~~~...ねっ、怖いでしょ」
貴方「...そういうのが朧車タクシー界での怪談なんですね」
鬼灯「臨死体験は結構しょっ中ありますから......」
朧車「でも『あ、アイツ生きてたんだ』と思うとゾッとしますって~」