第9章 地獄四谷タクシー怪談
タクシー乗り場
朧車1「最近...」
朧車2「ん?」
朧車1「現世でタクシー強盗ってのが深刻らしいよ」
朧車2「えー何それヤダー超怖えじゃん」
朧車1「なんか一対一で個室の状況を狙われるんだって」
朧車2「えーヤダーゼッテー嫌だよそんなの」
朧車1「まーその点俺ら顔が前に付いてるから安心だけどな」
朧車2「まあな。現世怖ェな」
現世のタクシー強盗について喋っている地獄のタクシーこと妖怪朧車
朧車1「あっ...でも腹の中から突かれたら嫌だな」
朧車2「あーそれは確かに痛いな」
鬼灯「その車部分ってやはり“体内”なんですね」
やって来た鬼灯と瓜美
朧車2「あっお客様....」
朧車1「あっ鬼灯様と瓜美様だ」
朧車2「こんな一介のタクシー利用でいいんですか?もっといいお車(龍とか)お使いになれば....」
貴方「公費の無駄ですから」
鬼灯「現世では安全も兼ねての専用車もあるようですが、地獄では己の身は己で守るのが鉄則です」
朧車1「ああ...まぁ襲撃したところで普通に敵わねしな...」
朧車1「でもさ、俺らだって乗り物界のアイドルじゃん?」
鬼灯「はい?」
朧車2「うんうん」
朧車1「そういう点では今後強盗とかも注意するに越したことは...」
貴方「アイドル?」
朧車1「え、だって俺らよく考えるとネコ●スの仲間だし...」
そんなわけがない
朧車1「高級ではないけど憧れの乗り物だよ」
朧車2「そうだなー」
貴方「サ●キが貴方達に乗って迎えに来たらメ●は大号泣でしょうね。別の意味で」
鬼灯「構造は確かにそうですが....種族としてはどちらかというと一反木綿に近いのでは...」
朧車1「えーアイツ屋根ねーもん」
朧車2「なー」
朧車1「ハイで、どこまで参りましょうか?あの山の病院?」
鬼灯「いえ、別に穫れたてのトウモロコシは届けません。閻魔殿までお願いします」
そう言って朧車に乗り込む
朧車1「あ。もしかして出張からのお帰りですか。任せてください最速で飛びますよ!」
鬼灯と瓜美を乗せて閻魔殿へと飛んで行った
朧車2「アイツ鬼灯様と瓜美様乗せたってしばらく自慢するんだろうなァ....」
朧車の所に一人の男が現れた
朧車2「?タクシー利用ですか?どちらまで参りましょうか」
?「...高天原まで」