第33章 お山の泥沼姉妹
木霊「イヤ〜.....今は山も住みにくくて......まず私花粉症なんです.....」
貴方「それ マムシが自分の毒に当たるようなものですよね?」
木霊「先日あまりの花粉量に思わず千里眼を使ってみたら.....」
《メシベと一つになる!!》
木霊「.....アメリカのそのテのCMみたいな様子が見え.....神としてそんなもんを見てしまったやるせなさでいっぱいに......」
鬼灯「花粉の本分は受粉ですから見てしまった貴方が悪いですよ」
木霊「花粉の他にゴミも凄いですし......何だかいづらくて最近は何やかや理由をつけてあの世へ来ています」
ゴミはちゃんと持ち帰って捨てるべし。
木霊「.....いえ 本当は他にいづらい理由があるんです」
貴方「?」
木霊「.....山には神が多くおります。私のような木の精.....それに山の大将大山祇神。岩長姫・木花咲耶姫・金山彦・金山姫......まァ今 多くの方が「知らねぇよ」状態だと思うので全てまとめて「山神ファミリー」でいいです」
鬼灯「俄然わかりやすくなった」
木霊「その山神ファミリーの中でも山神ツートップが岩長姫と木花咲耶姫。短くイワ姫とサクヤ姫としましょう」
トンッ
木霊「この二人姉妹なのですが......」
これは.....
鬼灯「どんなことになるか大体想像がつきますね」
貴方「そうですね」
木霊「はい......まァ経緯は省きますが、この二人がその昔ニニギという神のもとに二人揃って嫁がれました。しかし姉のイワ姫だけが「醜い」という理由で返されてしまったのです」
貴方「ひどいですね」
木霊「それ以来イワ姫は美人がお嫌いで.....美人が山へはいると私の分身である木をメキメキ倒すのです.....」
鬼灯「山ガールとか流行ってますけど大丈夫ですか?」
木霊「今夜は富士山で山神のパーティがあるのですが......あの姉妹の空気を考えると......」
鬼灯「ちょっと行ってみたいですね」
木霊「ええっ!?本当ですか!?」