第2章 叶わない・・・*白龍*
自嘲気味に笑っていると
向こう側から水を持った琴殿が
帰ってきた。
『ごめんなさい、遅くなって。はい、どうぞ』
龍「ありがとうございます」
貰った水を、一気に飲み干す。
いつもより苦く感じた。
『ふふっ、良い飲みっぷりね。惚れ惚れしちゃうわ』
惚れ惚れする、か……
簡単に言ってくれるな。この人は…
それが、どれだけ俺の心に響いているか
彼女は分かってない……。
ぐっ、と拳を握る。
感情が表に出てしまいそうだったから
何気なく聞いてみる。
龍「…義姉上、結婚生活はどうですか?」
『……どう、ねぇ……』
琴殿は少し考える。