第2章 叶わない・・・*白龍*
『白龍くん、武芸の鍛練も良いけれど少し休憩したら?』
龍「義姉上…はい、そうですね」
『今、水持ってきてあげる』
龍「えっ?!あ、義姉上、そんな事は女官に任せてください」
『良いのよ!待っててね~』
タタタッと走っていく後ろ姿を眺める。
俺は、今この人…琴殿に好意を抱いている。
可憐で、誰にでも優しくて
理想の女性像。
だけど、この思いは叶うことは無い。
いや、絶対に叶わない。
だって、彼女は……
義兄上……紅炎殿の許嫁。
どれだけ思いを寄せていても
この思いは
報われない。
龍「………まったく、残酷な話だ……」