第2章 ♡アラブの王様に飼われるお話♡
ぼやけた視界に映るのは、砂の世界。
何度か瞬きしても変わらない、そこは果てしなく続く砂漠の上だった。
照りつける太陽が頬を焼く。
暑い、暑くてたまらない。
身体中の水分が抜けたような気がして、汗も出ない。
熱く強い乾いた風が吹き付ける。
細やかな砂埃が襲ってきて、咄嗟に瞼を閉じた。
ザリっと微かに砂が口の中に入ってきて不快だ。
ここは、砂漠のど真ん中なのだろう。
とにかくここから歩き出さないと………
倒れた身体を起こそうとしたが、手足がきっちりとロープで縛られていてまともに動くことすら出来ない。