第1章 ♡うちの姪がビッチすぎて困る♡ 完
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「どうしましたー加賀美さん。毎日こってりしぼられてまーす♡みたいな顔して」
目の前の蒔田がニヤニヤと笑いながらジョッキを呷る。
その隣に座る同期の稲田が『最近忙しいのか?』と聞いてくるのに苦笑いを浮かべると、すかさず蒔田が
「違いますよ。加賀美さんがしぼられてんのは〜…」
と口を挟んでくるので、テーブルの下でその足を踏んづけた。
金曜の夜、仕事終わりに稲田に誘われて飲みに来たわけだが、やはり断るべきだったかもしれない。
稲田がトイレへ行くと、俺は目の前の蒔田を睨んだ。
「お前、余計なこと言うなよ」
「だって、これみよがしに〝クマ〟付いてるんですもん」
蒔田は再びニヤけて『で?』とテーブルに身を乗り出す。