第1章 噛まれたい噛みたい噛んじゃダメだ
「あっ…ん、いったぁい」
ドラルクは再び砂で消し飛び、ロナルドは身体ほぼ全部をソファーにめり込ませ、ジョンは丸くなって四方八方に飛んだ。
ドア入り口にいる一つ目のような置物は、終始ムッとした顔をしている。
「よよよよかったなぁ!ささ最後の晩餐がさささばばはま」
「落ちつけ!私はまだ歯をちょっと立てただけで血は吸っていないぞ!」
「お、思いの外、あ、ヤバいとこ噛まれてるって分かって、ゾクゾクしました」
「いらん感想ありがとう、薬打つぜ」
「まだだ小僧、それが効くのは血を吸ってからだろう」
「ヌヌヌン」
「いえ、噛まれたかっただけなのでもう大丈夫です、ありがとうございました」
「だってよ」
「ウエーン!処女の生き血ー!!」
「あ、ごめんなさい、処女では無いんです」
「「「……」」」
その時、3人の男子に数多な妄想が駆け巡った。
ーー数日後ーーー
私はまたここに来てしまった。
「すいませーん、ドラルクさんいますか?」
「おや好キ子さん、私にまた会いに来たんですかな?」
「はい、あの噛まれた感覚が忘れられなくて…また噛んでもらっても…」
「帰れ」
冷静にツッコミを入れるロナルドであった。
【END】