第1章 合コン行ったら元カレにバッタリ遭遇したお話
「今フリー何だよね?俺と相性良さそうじゃん!」
どの口が言うか。見るからにチャラチャラしてて、たばこ臭くて私の好みとはかけ離れている。
絶対こいつはめんどくさいと思う。彼女が苦労するタイプね。
ヒモの雰囲気出してるし。
愛想笑いを浮かべながら枝豆を1つ口に放り込んだ。
最後の一人が来たら早く帰ろう。
そう決めて、レモンサワーを一気に飲み干した。
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ほどほどに酔いが回り始めた頃、店員に案内された最後の一人がやっと合流した。
時間にして30分の遅刻。
私を除いた女性人は最後の一人が目当てらしく軽く遅れた事を詫びる男に黄色い声が飛び交う。
酒も手伝ってか女性特有の声の高さに頭の奥が響く。
私達がいる席だけでなく、他の席からもかっこいいと飛び交うのでどれほどかっこいいのかと興味が湧いた私はお酒の入ったグラスに向けていた視線を今来たばかりの彼へと向けた。
「僕がいない間に、随分と楽しんでいるようだね」
聞き覚えのある馴染みの声にピタリと固まる。
その言葉はここの席にいる全員ではなく私に向けられてるのだと瞬時に悟った。
視線を上げればいつものアイマスクではなくサングラスにラフな格好をした悟は私を射抜くような眼差しでじっと見下ろし笑みを深くさせたのだ。