第1章 合コン行ったら元カレにバッタリ遭遇したお話
合コン当日。
そこまで気合いを入れるつもりは全然ない私は、失礼のないように最低限なメイクとお洒落をし家を出る。
現地集合で、メールに記載された地図を頼りに目的地を目指した。
到着した頃には時間丁度で、店内へと入るとこっちこっちと手を振りながら久方振りに見る幼馴染に案内される。
席には3人と男性と、私を含め4人しかいなかった。
話では4:4の同数と聞いていたのだけれど、ドタキャンか?
なら、私はいらなかったのではないのか。
そんな疑問を持つ私に幼馴染は気づいたのか、そんなわけないと手をヒラヒラと動かし否定した。
「仕事が終わってから向かうからちょっと遅刻するみたいだよー
超絶イケメンが最後なんてドキドキするね」
『あ、そうなの?』
なんだ、帰れないのか。
少し残念に思った私は、席について簡単な自己紹介をし適当に話を合わせながら相槌をし運ばれてくるお酒とおつまみに舌鼓を打つ。
「さんはどんな人がタイプなの?」
『(いきなり下の名前呼びかよ)…優しくて一緒にいて楽しい人ですね…あと、束縛しなくて独占欲強くない人』
「凄く拘るね!俺はさんみたいな人好きかも」
おつまみや美味しいお酒に集中していたいのに、正面から何かと語りかけてくるモブAが、正直めんどくさい。
何杯目かのお酒のおかわりをしながら、遠回しに恋愛はしないと伝えるもモブAはひたすら私に絡んできた。