第3章 気づいたときにはもう手後れ
私は五条先生が苦手だ。というよりかは、男性が苦手だ。男性恐怖症といっても過言ではないくらいに。
それはいつからだったのかは、もう覚えてなくて気づいたときには男の人が駄目になっていた。
それでも今は
野薔薇ちゃんがいて、話ができるようにまでなったけれど
目が合うのは怖くて、二人なら尚更会話するのもできない。
そんな私に、虎杖君や伏黒君は嫌な顔1つせず理解してくれた。
もちろん、五条先生もその中の一人なんだけど…。
五条先生は特段苦手意識は強かった。
「ごめん、また任務みたい」
『え?』
「すぐに終わらせるから!」
考え事していた私に野薔薇ちゃんはさっきまでの道を走って戻っていった。
どうやら、呪霊が暴走してるから今度は虎杖君と二人で向かうらしい。
急に二人きりにされて、引いてた冷や汗がまただらだらと流れ落ちた。
『せ、先生…私はこの後の任務はないです…よね?ちょっと寮に戻りますっ』
「…ん?大丈夫?送っていこうか…?」
『あ、いえ…大丈夫で…す』
逃げるように寮に向かう。
これ以上いたら、気がおかしくなってしまいそうだった。
走って寮へと戻り、ドアを開けると
気持ち悪さは一気に加速して
洗面台へと向かえば、はき気を感じて吐瀉物を吐き出した。
何度もえずいて、力なくその場にしゃがみこむ。
最近調子が悪いな。
暫くの間そのままでいると幾分良くなってきて、横になろうとベッドへ横たわった。
目を閉じれば、意識はすぐにプツリと途切れ深い眠りへと落ちていった。