第2章 後ろの正面だあれ?
五条先生のおすすめのパフェを頼む。
向い合う五条先生は嬉しそうに口角を上げパフェの他どれにしようかと悩む姿は、可愛いと思ってしまった。
頼んだものを待ってる間、五条先生は話題が尽きることなく話をしてくれて、退屈な時間は1つもなかった。
部屋の中でじっとしていたら嫌な事ばかりが、頭を支配してどうにかなりそうだった。
なら、任務に向かった方がましと
重たい体を動かしてドアを開けたけど、
五条先生にはお見通しだったようで意外にも生徒思いなんだなと感心した。
心が弱い訳じゃないと強がってはいたものの…やはり、乱暴にされた恐怖は心の奥深く…根がはってるように私をじわじわと苦しめていた。
例えば、五条先生が急に触ってきたとき。どきりとする。
嫌だという思いが一瞬心を埋め尽くす。
それは、五条先生だけじゃない。
後ろの席に座ってる人が急に立ち上がったり。
自分が思ってたより、精神的ダメージは大きかったみたい。
「……大丈夫、僕がついているから」
『…先生…』
「ドキっとした?恋が始まるみたいな?」
『今ので台無しです、大丈夫です。五条先生はタイプじゃないので』
もう、辛辣なんだからーと自分の体を抱き締めてくねくねと動く五条先生にふふふと笑う。
今日一番の笑いだ。
良かった、私笑えてる。
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カフェを出た後、色んな場所に向かって楽しんだ。
全て五条先生が奢ってくれて、少し罪悪感を感じる。
それでも五条先生は少しも気にしてないと瞬間移動で色んな場所に連れていき、美味しそうな食べ物を私買っては今日1日を満喫した。
「一人で眠れる?僕が一緒に寝てあげようか?」
『セクハラです』
夜になり、寮まで送ってもらうと
眉毛を下げて寂しそうに言う五条先生。
今日の事は感謝してもしきれないほど、五条先生にしてもらったけど
普通にセクハラだし、この人の本気はどこからどこまでがわからない。
半分冗談で出来たようなものだし。
『先生、今日はありがとうございましたお陰でいい気分転換になりました、明日からまた頑張ります』
「…あ、その事なんだけど
暫くの間野薔薇と一緒に任務にあたってもらうから」
そう言うと五条先生はどこかへと姿を消した。
きっと任務地に向かったのだろう。
先程から携帯がけたたましく鳴り響いていたのだから。