第9章 壁外調査　前日

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だからミケも心配をしている


壁外調査に出発した後の人の少なくなった兵舎でのカナコの安全を…


「憲兵団の保養地がたしかウォールマリアの巨大樹の森の近くの湖にあっただろう？そこを使用できるかナイルに聞いているんだがまだ返事は無くてね…」


「あそこは綺麗な場所だし 観光地でそこそこ にぎやかだからな…たしかにいいかもな」



湖の周りには花畑が広がり 観光客相手の可愛らしい雑貨を取り扱う店や洒落た飲食店も多い カナコが…というより女性が好きそうな店が多いから退屈はしないだろう


















数日後ナイルからの返事がようやく届いた
調査兵団が使用するのには色々と面倒らしく 便乗するかのようにナイルが休暇を取り家族と保養地に行く事にしたらしい そこにカナコが一緒に宿泊する

ナイルも居るのなら心配は無い
妻のマリーも気遣いもできる優しい女性だからカナコもきっと仲良くなれるだろうし 小さな子供も2人いるから賑やかに過ごす事ができる…と思い安心した


リヴァイ達と一緒に居る時に カナコに伝えると皆がホッとしたような顔をしている

地下街でリヴァイの頭を下水に押し付けてから（押し付けたのはミケだが） いつも私を睨み付けるように見てくるイザベルが

「ありがとな！」

と言って初めて笑った




「ナイルは私の訓練生時代によく酒場で一緒に飲んで 共に調査兵団を目指した相手なんだ」


「今は憲兵団に居るの？」


「いつも行っていた酒場にマリーという従業員がいてね 私とナイルの憧れの人だったんだ…そのマリーがナイルの妻になりナイルはマリーの為に憲兵団へ入った
だからカナコは心配しなくても大丈夫だ ナイルは優しい男だし マリーも素敵な女性だからね」


「エルヴィンが憧れた女性なんだね 逢うのが楽しみになってきた 色々ありがとうございます」


カナコは柔らかな笑顔で うふふっ と笑った