第8章 いたずらっ子
「ほら あーん」
イザベルがスプーンですくったのは野菜スープで 私は言われるがまま口を開けてスープを飲みこむ
殴られたのは顔とお腹だけで 手首に縛られた時の痣はあるけど手は自由に動かすこと出来るけど… イザベルがスプーンを渡してくれない
口の中が切れていて熱いスープが飲めないから元々ぬるくしてるはずのスープなのに イザベルは「ふーふー」と冷ましてくれて私の口に運び
固いパンは小さくちぎってスープに入れて柔らかくしてから運んでくれる
私が以前イザベルを看病した時と同じ事をしてくれる
そんなイザベルが可愛くて仕方なくてニヤニヤが止まらない
食べ終わるとイザベルは空になった食器をトレーに乗せて食堂へと返しにいった
「自分で食べれるだろ?」
私達の様子を見守っていたリヴァイが呆れている 隣に座っているファーランも苦笑いだ
「だってイザベルが可愛くて…」
「確かになぁ…楽しそうにカナコの世話をしてるからねぇ 俺達の仲じゃ末っ子みたいなもんだからさ 姉さん気分が楽しいんじゃない?まぁ…見守ってやりなよ」
リヴァイの肩にポンと手を乗せて立ち上がる
「俺は風呂にでも行くか…じゃあなカナコおやすみ」
「うん おやすみなさい」
ファーランも部屋を出ていった
傷口が化膿したのと襲われたショックで私は3日間熱を出して昨日やっと平熱に戻った
顔の腫れは大分引いたけど代わりに内出血をした所が赤紫色の痣になり目と鼻回りと口に…っていうか顔の7割は赤紫色になっている
左脇腹も同じように赤紫色の痣が出来ていて 手首の痣は薄くなりはじめていた
まだちょっと痛いけどリヴァイの温もりが欲しくて 2人きりになって直ぐに両手を広げてハグを要求した
制服の上着を脱いで立体起動装置のベルトを外し黒のブーツを脱ぐとリヴァイはベッドに上がり一緒に倒れながら私を包んでくれた
首にキスをされると私の背中がそわそわしてくる
リヴァイの頭に鼻を付けてリヴァイ吸いをスンスンとすると
リヴァイも首にキスをしながらスンスンと私を吸う
「ヤダ…お風呂に入ってないから塩っぱいし臭いよ」
「そうか?あと3日入んねぇでもいけるぞ」
綺麗好きのリヴァイがそう言ってくれたのが嬉しくて 私はリヴァイの首に腕を回して唇へのキスをねだる