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【進撃の巨人】月と青い鳥

第8章 いたずらっ子



「ミケ…殺していいよね?」


聞いたくせにハンジは返事を待たずにブレードを振り下ろし 1人の頬を薄く切った



「でもここで殺すのは勿体ないね…調査兵団がどんな所か分かってて君達は入団したんだから
今度の壁外調査を生き抜けるか試してあげよう 君達は簡単に死なせないよ 」



今ここで殺すより巨人に喰わせる事をハンジは選んだ























**********



「相応の礼をしてやる!」


「リヴァイ落ち着け!」


「あの顔を見て落ち着いてられるか!」





ぼんやりした意識の中で怒鳴り声が聞こえてくる



又だ…お父さんとお母さんが言い争いをしている声で目が覚める

ケンカしないで…いい子にするから

私はお父さんとお母さんと仲良くしたいの…だから私を…いらないって言わないで…ひとりに…私を置いて



「…い…かないで…」



「兄貴!カナコが起きた」


目を開いたけど眩しいのと涙で景色が霞んでいる


「カナコ…」

名前を呼ばれて誰かの手が私の頬に触れた


「置いていかないで…」


口を動かすと痛みが走る

それでも必死に「ひとりにしないで」と叫んだ 叫ばないとまたひとりになってしまう…


「カナコ大丈夫だ…ひとりにしない大丈夫だ…」


少し低くてかすれた声で「大丈夫だ」と繰り返し聞こえる 頭を撫でる温かな手の感触が気持ちよくて 胸に渦巻く不安が少しずつ和らいでいった

だけど目の端からポロポロと溢れる涙は止まらずに時々喉がヒクッと痙攣をおこす

それでも温かな手は私の頭や涙で濡れた頬を優しく撫でてくれた















。。。。。。。。。。


「眠ったのか?」


エルヴィンが心配そうに聞いてきた


「こいつは親に捨てられてんだ そのせいか時々こんな風に過去と今が分からなくなる
最近は無かったけどな…」


カナコの顔は赤く腫れていて口も切れていた 拘束されていた手首は痣になっているし 首にも絞められた時の痣があった


「カナコを襲った奴に会わせろ…」


「無理だな 君は彼等を殺すだろ?」


「彼等?1人じゃねぇのか?カナコは何人に犯られたんだ?言えエルヴィン!」







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