第8章 いたずらっ子
私は全部をリヴァイに捧げている命さえもだ だから彼の許可なく死ぬ事は出来ない
胸元はさらに広げられ スカートは腰まで裾を捲り上げられると下着も脱がされた
朦朧とした意識の中 これから始まる地獄を覚悟した……
パシュ と 乾いた音が聞こえた
「ぐうぁっ!」「がはっ!」
歪んだ景色の中 黒い影が2つ石の床に落ちて倒れた音がした
1つの大きな影が近づいて来るのが見えた 冷えた素肌に温かな布が触れて その布は私の体を包みこむ
「この匂い……知ってる」
エルヴィンの馬に乗せてもらった時に被せてくれたマントと同じ匂いがした
拘束されていたベルトが切られて手が自由になる ミケの匂いに安心して私は意識を失った
。。。。。。。。。。
足跡を辿っている途中で立体起動の訓練を終えたハンジと会った
「どうしたんだいミケ何かあったの?」
俺の焦った顔を見てハンジは驚いている
「カナコが居ない 外の洗い場にカナコの洗濯物が散らばっていた」
「何だって!拐われたのか?」
「幹部御用達の娼婦だと噂されてるのを知ってるか?」
「知ってるけど…まさか…」
「洗い場の周りには 乱れた3人分の足跡があった だが続いている足跡は2人分しかない」
「最低だな…私も一緒に探すよ」
足跡は途中から草が生えていて消えていた…だがハンジの記憶だと
「この奥に使われていない 小屋があったはずだ」
風がふわっと吹いた
「ハンジ先に行くぞ 微かに血の匂いがする 」
ハンジに構わずに全力で走るとハンジの記憶通りに小屋が見えたと同時に小屋の壁にアンカーを撃ち込んだ
ハンジが追い付いた時にはカナコはもう気を失っていた
鼻血まみれの顔と被せたマントからはみ出ているカナコの体を見たハンジは無言でブレードを構え腰を抜かしている2人の前に立った
「見た事の無い顔だね…君達は新入りかい?なぜ今日の陣形訓練に参加してないのかな…」
「今回は来なくていいと分隊長から言われました」
すっかり酔いも覚めたようで怯えながらも答えている
「そうか…君達は役立たずだと言われたんだね…だから自棄になり酒を飲んで その不満をカナコにぶつけようとしたのか…」