第8章 いたずらっ子
「そうでしょ!農作業は元の世界にいた時以来だから10年ぶりだったけど楽しかった」
褒めてくれたのが嬉しくてミケの腕を取りグイグイと花壇へ引っ張る
「ここは黄色い花のマリーゴールド 隣はケイトウって花で赤や黄色いの花が咲くの そしてピンクや紫の花が咲くキキョウでね後は…ヒマワリ!種は干してパンに混ぜても美味しいの!それと……」
頭の上から笑い声が落ちてきて そこで私は花に興味がなさそうなミケに夢中になって話してる事に気付いた しかも腕を組んでるし!
「ごめん!褒めてくれたのが嬉しくて」
パッと手を離し少し距離をあける
「もっと胸を押し付けてもいいぞ柔らかくて気持ちよかった」
「ごめん」は取り消す!
「花は嫌いじゃない カナコが来てから幹部室に飾ってるだろ?あれを見ると殺風景な部屋に彩りがあるのはいいな と思ってるよ」
そう言うとミケが私の頬を親指で触れてそっと撫でる 目が合うと無表情なミケが笑った
ミケはこんな顔で笑ったりできるんだ…
ドキッとするほどの優しい笑顔を見つめていると ブッと吹き出して笑い声を上げる
「なに何?女の子の顔を見て笑うなんて失礼だよ!」
「お前の顔泥だらけだぞ その顔で失礼って言われても無理だ」
「早く言ってよ!ミケなんか嫌い!ドキドキして損した!」
ミケの腕をグーパンチで殴り井戸へと走ったポンプを動かしバケツにたまった水で顔を洗う 後ろからはまだ笑い声が聞こえる 顔を洗うと頭も冷えて私も笑いが込み上げてきた
2人で笑いあった後 ミケが花壇の続きを聞いてくれる また夢中になって距離が近くなっている事に私は気付いてなかった
説明が終わり私が満足した頃は太陽も落ちだしていて ミケが片付けるのを手伝ってくれたおかげで明るいうちに道具を片付ける事ができた