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【進撃の巨人】月と青い鳥

第14章 夏仕度




「私はね…― 本当の地下街の闇なんて見た事無いんだよ
ずっとリヴァイが守ってくれた
ファーランやイザベルにも守られてた

私達は―…窃盗団だったの 仲間も雇って立体起動も手に入れてね
地下街の闇商人達の荷物や金庫とかを荒し回ってね 調子に乗ってたら調査兵団に捕まっちゃった

でも捕まって良かった――地下では窃盗以外の仕事や抗争とかもあったから リヴァイはいつも怖い顔をしてた 今はあれでも随分優しい顔になったんだよ

だからあの時リヴァイとエルヴィンがバチバチにらみ合いしてるのを見て 怖いより先に懐かしいって思っちゃった」


久しぶりにあのヒリつくような顔を見て懐かしい――って思った
今のリヴァイがそんな顔をしなくなっていたんだと思ったら嬉しかった



突然ナナバが私の頬を摘まんだ



「リヴァイが本当にカナコを大事に思って守ってきたのがよく分かるよ
カナコはいつも楽しそうに笑ってるから」

「ありがとう…―リヴァイを褒めてくれて嬉しい」



残りの収穫を終わらせ 調理場に野菜を持っていった


兵舎の共同浴場はまだ準備中だったから 幹部棟のお風呂に行こうと誘ったら

「もっといい所があるんだ」と言われて着替えとタオルを持って兵団施設の奥へと歩いていく


北の棟はほとんど使われてなくて 昔の貴族の霊がでる とか 夜は団員の逢引きに使われてる とか 色々な噂があった


屋根が崩れている棟を指差して「ここだよ」とナナバが手を引き歩いていく


ドア代わりの板を外し 中に入れば昔は浴場に使われていたみたいで 大理石のような石で出来た大きな浴槽があった 湧水が流れ込んでいる浴槽の中の水に触れると温水プールより少し温度が高いくらいで 色は透明で綺麗だった
屋根がないから太陽の光を反射して掛け流しの水はキラキラと輝いている





「綺麗でしょ?新兵の時にジゼルとハンジと3人で見回りをしながら探検とかして遊んでたら見つけたの
暑くなると3人でたまにここで水浴びしてるんだよ この前の休みに掃除して浴槽も水も綺麗だから 安心してね…」



ナナバは外した板を戻して入口を塞いだ




2人で裸になり水をかけ全身を洗う

始めは冷たく感じて2人でキャッキャ言ったけどなれてしまえば 温い湧水は体を冷やし過ぎなくて気持ち良かった





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